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 大学受験生の英語学習


大学受験を控えた高校3年生・浪人生の学習について考えます。具体的な勉強計画などについては、大学受験独学講座 で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。また、高校3年生の方は 高校生の学習もご覧になるとよいでしょう。

1)単語や熟語が覚えられません。暗記が苦手で困っています。 
2)「教科書を音読すると力がつく」という先生がいますが、本当ですか? 
3)リスニングが苦手ですが、どうすればよいでしょう? 
4)読むのが遅くて困っています。速読ができるようになりたいのですが。  
5)私の大学受験生時代

 [2.22.2008更新]



1) 単語や熟語が覚えられません。暗記が苦手で困っています。 


まず最初に、暗記が苦手では語学の勉強はお陀仏です。様々な方法を工夫して、繰り返し勉強しなければなりません。「覚えるのは嫌だが、英語ができるようになりたい」というのは、「手術も放射線も抗がん剤もぜーんぶ嫌だが、先生、ガンを治してください!」というのと同じで、まともに返答できる要望ではありません。

最初に「自分は英語が好きなのかどうか」を自問してみましょう。英語の暗記がうまくいかないと言っている人の中には、英語が嫌いな人がたくさんいます。こういう人は、英語が嫌いであることが覚えられない原因なのですから、英語を「好き」になることが先決です。人間は、嫌なことは、すぐにに忘れて苦痛を減らすようにできています。「英語が嫌い」と思っている間は、暗記が進むはすがありません。「そんなこと言うけど、アンタ、嫌いなものをどうやって好きになれというのか?」という人は、小学生ではないのですから、自分で考えましょう。仕事の場では、いやーーーなお客にも笑顔で接客しているでしょう。嫌な客に笑顔を向けられる人であるならば、英語を好きだと思うことなど簡単にできるはずです。

以上、長々とお話したのは、「わたしは英語が嫌いですが、成績が上がる効率的な方法を教えてください」といった質問が毎年後を絶たないからです。(口に出して言わなくても、英語が嫌い人は、特有の「気」を出していますので、私にはわかります) 

この種の質問の一番くだらないところは、英語を嫌いと思っている、まさにその気持ちこそが、最大の学習阻害要因であることに気づいていない点にあります。「嫌い」という感情を、「意志」の力によって克服するところに、人間の偉さがあるのです。

最後に、単語・熟語暗記のコツを3つあげておきます。

@「音声」重視
単語集を買うときは、CD付きのものを選び、CDを毎日繰り返し聞くこと。単語は、まず「音」で覚えることが大切です。CDを聞きながら音読もしましょう。

A「文脈」重視
実際の英文を離れて、単語と意味だけバラバラに覚えても、すぐに忘れてしまいます。よい例文をノートなどに抜き出しながら、文全体の意味を考えると同時に単語の意味を覚えるようにしましょう。

B「携帯」重視
教材をある程度勉強したら、ノートやカードに工夫してまとめ、それをいつも携帯して、少しでも時間があったら見て覚えるようにしましょう。


2) 「教科書を音読すると力がつく」という先生がいますが、本当ですか? 


本当です。代々木ゼミナールで活躍されている吉ゆうそう先生は、英語上達のために大切なこととして「意味のわかった英文を何度も読んで暗記する」ことをあげておられます。例えば、教科書1ページを、最初30分かけ
て理解したとします。次に、この英文を意味を考えながら何度も音読します。意味を考えずにただ読むのはいけません。また、あせって2〜3回で無理に覚えようとしてはいけません。私の経験では、覚えようとしなくても、30回以上音読すると、英文のほとんどが覚えられるようです。

このような音読の繰り返しによって覚えた英文は、体で覚えた英語ですから、会話や作文のときに、スッと出てきます。無理やり丸暗記した英文ですと、肝心なときに「えーーっと、こんなとき何て言うんだったかな...」というふうに詰まってしまうことがよくありますが、音読で覚えたものはすぐに口から出てきます。なお、電車の中で音読をしたい人は、風邪をひいているふりでマスクをしたうえで、声を出さずに口を動かすとよいでしょう。




3) リスニングが苦手ですが、どうすればよいでしょう? 


リスニング力の向上には2つの側面があります。一つは、英語の音を聞き取る力、もう一つは、英文を頭からバンバン読んで意味がわかる力です。この両方を鍛える必要があります。

英語を耳で聞いて、どんな単語が発音されたのかさっぱりわからない...という場合は、音を聞き取る力がないわけです。一方、音はわかるが理解できないので、聞いた英文が書かれた文書を読んでみたが、それでもわからない...という場合は、読む力がないのです。

@ 英語の音を聞き取る練習

まず、教材のCD等(その文章が印刷された本がついたもの)を用意します。自分にとって「ちょっと速いな」と思われるスピードのものを使うとよいです。CDでなくても、CNNなど海外ニュースのサイトで音声とスクリプトのついているものでもいいです。

これを一定量聞いて、内容をつかむ練習をします。最初のうちは、1〜3割くらいしかわかりません。次に、今度は、セリフのひとかたまりごとに止めて、聞こえた英語を紙に書き取ります。このとき、どうしてもわからない部分は、どう聞こえたかをカタカナでもよいですから書いておきます。最後に、テキスト本文を見て、答え合わせをします。ここで、自分が聞き取れなかった部分を繰り返し聞きます。こうした練習を1日30分、1か月も続けると音の聞こえ方が全然違ってきます。

これとは別に究極の方法があります。それは、「発音を徹底的に訓練し、ネィティブに近い発音ができるようになること」です。人間は、自分が発音できる音は必ず聞き取れます。したがって発音を鍛えることがリスニング力向上の最も有効な方法です。毎日発音練習をして1か月後に、少し長めの英語を聴いてみてください。「えっ?」と思うくらいはっきりと聞こえてきます。

A 英文を前から読んで理解する練習

自分が詳しく勉強した英文(語句・文法・内容把握が完全に理解できたもの)を用意し、これを左から右に、切りのいいところで時々0.5秒くらい立ち止まりながら読んでいき、最後まで読み終わったときに、十分理解できている状態になるように理解します。二、三度読んでもスッキリしない場合は、五回、十回と読み返します。そして、左から右へと読むうちに、頭の中に自然に文章の意味が浮かぶようになるまで練習します。

上記の練習をいつもやっていれば、練習に使っている文章よりもレベルが低いものであれば、スラスラっと左から右に読めます。このように、後戻りをしないで英文を読むくせをつけることは、リスニングで内容を把握するうえで極めて重要です。



4) 読むのが遅くて困っています。速読ができるようになりたいのですが。


まず、(3)リスニングのやり方のAを読んで、左→右へ読んでいく練習をしてください。その上で、読みながら、先の展開を予想していく習慣をつけてください。例えば、ある文章の出だしが、「語学学習に文法は不要であるという人が多い」となっていたら、筆者の意見は予想できますね。そうです、筆者は「文法学習が必要だ」と思っているはずです。(英語では、一般論と対比させて自分の意見を述べる場合が多いから) 文章を読みながら、常にこの先はこうなるはずだと考えることが大切です。力がつくにつれて、予想がどんどん合うようになります。



5) 私の大学受験生時代


付記として、私の大学受験生時代についてお話します。昔はこういう受験生もいたんだというお話です。

私の高校は、入学時の偏差値でいうと60を少し超えたくらい、学区で2番手の公立高校でした。うちはお金がなかったので、小学校の頃から「もし大学に行くなら浪人はだめだ」と父に言われながら育ちました。父の浪人嫌いは徹底しており、当時親戚の人で二浪した人がいたのですが、その人の鼻が大きいことから、父は「ハナドン」というあだ名をつけ、「ハナドンは浪人ばっかりして、本当にアホだ」と私の前でよく言っておりました。この洗脳教育により、私は大学に行くなら絶対現役と決めたのでした。さらに学費の点から、私立大は論外でしたので、国立大しか選択肢はありませんでした。

私の家は福岡県なので、一番近い国立大は九州大学です。しかし私の成績では九州大に届きませんので、長崎大を志望しました。政治経済が大好きだったので、学部は経済学部です。関東や関西の大学は全く考えませんでした。なぜなら大都会は生活費がかかるうえ、帰省のときにお金が余計にかかるからです。大学に入ってから帰省する際は、特急列車を使わず、各駅停車の普通列車を使いました。特急料金900円を浮かすためです。そのぶん、特急なら2時間半くらいのところが、普通だと4時間かかるのですが、「1時間半で900円浮かすということは、時給600円のバイトに匹敵する」という計算式を考え満足していました。大学4年間で特急を使ったのは、最初に長崎に向かったときと、父が急病で急いで帰省したときの2回だけです。

受験料も節約するため、私立大学は一切受けない予定でしたが、担任の先生が滑り止めを強くすすめたため、これも地元の西南学院大学を受験し、合格しました。得意の政治経済でほぼ満点を取ったので手ごたえがありました。

私立入試が終わり、長崎大学の二次試験までの1か月は、苦手の数学の勉強を主にし、英語は英作文、要約、リスニングをやりました。リスニングは、高校時代ずっと聞いていた東後克明先生の「英語会話」を録音して聴きましたが、東後先生とゲストの方が冗談を言って笑っているのに、全然わからず、何度も聞き返した記憶があります。数学は過去問分析の結果、大問2題のうち、微分積分が必ず1題出ていたので、勉強の大半を微分積分に費やす作戦を取りました。私は数学が苦手で、過去にやったことのある問題でなければ解く力がありませんでしたから、微分積分の問題は基礎から応用まで徹底してやりました。

さて、受験本番ですが、なんと数学で微分積分の問題は出ず、大問1は白紙、大問2を半分くらい解いて終了しました。英語はまあまあできましたが、数学の失敗で、私はてっきり落ちたと思い込んでしまいました。結果は幸い合格でしたが、私の微分積分集中作戦は大失敗に終わったわけです。

入学後は、親の収入が低いため、授業料全額免除制度の対象となり、4年間全額免除を受けましたので、私は、入学金の12万円だけで、4年間大学に通えました。免除制度は、2年次から成績も考慮されるので、私は大学の試験の前は熱心に勉強しました。当時の年間学費が21万6000円でしたので、「これは、21万6000円を賭けた戦いである!この戦いに勝ち、来年も授業料免除を勝ち取るぞ!」という決意のもと、勉強しました。大学2年からはアルバイトとの両立も完成しましたので、親からの仕送りは月1万円で、あとは日本育英会奨学金28000円とバイト代で生活しました。入学金を含めて、大学4年間の親の金銭的負担は80〜90万円くらいです。幸い家は経済的破綻をしなくてすみました。

以上のような原始体験があるものですから、予備校に来ていながら全然勉強しない人を見ると、「お金がもったいないな」と強く思います。親が働いて得たお金をドブに捨てているようなものですから。私が長年の職場である予備校を好きになれないのは、そういうお金を無駄にしている人の存在のためです。親のお金ですから親がどう使おうと勝手ですが、勉強しない子供の予備校費に何十万も使うのなら、ほかにもっと使い道があるのにと思います。


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