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 シャンソン賛歌


2006年、ふとしたことからフランス語に興味を持った私は、シャンソンを聴いて楽しく勉強しようと思い、以来ときどきシャンソンのCDを買って聴いています。フランス語の上達はまだまだですが、読者の皆さんに、美しいフランス語の世界に興味を持っていただけたらと思います。

 



 エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜

 
昨年の10月、アタック25の予選会の帰りに、「エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜(原題:La Mome、英題:La Vie en Rose)」を見ました。この映画を見たらかなり泣いてしまうのが事前に予想できたので、一人で見ました。予想通り、上映時間の三分の一は泣いておりました。そして映画は大傑作でした。

私が泣いた理由は主に2つあります。第一の理由は、いくつかのシーンにおいて、そのシーンの始まりとともに、「まさにこれしかない!」というタイミングで、ピアフの曲が流れてきて、それがあまりにも完璧にはまっていたためです。例えば、ピアフが恋人のマルセルと一緒に、人々に囲まれるシーン...このシーンが目に入るやいなや、ピアフの「群集(La Foule)」がかかります。この曲によって二人のこの後の運命が暗示され、しかもそれがピアフ自身の声によって語られるのですから、涙を抑えることはできません。

第二の理由は、ピアフを演じた Marion Cotillard さんの演技です。一般に、役者は「自然な演技」が求められ、作為を感じさせるのはよくないとされているようですね。Marion の演技は、ピアフそのものを演じ切っている点では自然そのものですが、同時に、「このワンカットを撮るために、彼女は何十時間もの練習をしたに違いない」「この一つのセリフを言うために、何百ページもの資料を読んだのだろう」...彼女が実に厳しい修練を経て演じているのがひしひしと伝わってくるのです。その努力を感じたとき、役者としての彼女への敬意がそのまま涙になったのだと思います。

Marionの演技は、ピアフの生前の姿を実によく再現していると絶賛されています。「こういうとき、ピアフならこうする」と考えて演じたのでしょう。しかし、彼女の演技は、単なるカーボンコピーではありません。ピアフを正確に演じながらも、Marion 自身の伸びやかさが時々現れています。例えば、スターになる前に、友達と一緒に街頭で歌っているときのシーン、ニューヨークのレストランでマルセルを前にはにかんでいるシーンなどには、Marion 自身の魅力が伝わってきて、これが実にいいのです。ピアフは実に数奇で劇的な人生を歩んだ女性と形容されますが、女性なら誰しも持っている可愛らしさも持っていたはずです。Marion は、いくつかのシーンで、等身大のMarion 自身を見せることによって、女性の持つ普遍的な可愛さ・美しさを表現することに成功しています。

この映画は、始まってから終わりまで、息をするのも憚られるほど集中して観ました。始まってすぐ、作品のリズムと、私の呼吸のリズムが合わなかったら、この作品を作った人に申し訳ないと思ったので、映画に合わせて息をしました。

以上の話は、恥ずかしいので書かないつもりでしたが、Marion Cotillard さんがアカデミー賞主演女優賞を獲得されたので、書くことにしました。ふだんは映画を観ることもなく、素人ゆえの暴論もあるかと思いますが、ご容赦ください。

[3.3.2008更新]

 

 ばら色の人生

 
ふと思うのですが、日本でシャンソンというと、どうもオカマちゃんの唄...という偏見を持っている人がいるようです。美輪明宏、おすぎとピーコ(のどちらか忘れた...)のような人がシャンソンを歌うからでしょうね。そうしたイメージのためか、シャンソン=難しい という印象を持つ方もいるようです。しかし、シャンソンはごくふつうの歌です。気持ちを飾らずにそのまま表現するのがシャンソンなのです。

Quand il me prend dans ses bras,
Qu'il me parle tout bas,
Je vois la vie en rose

彼が私を腕の中に抱いて
そっと私にささやくとき
私は人生がばら色に見えるの

作詞、そして歌ったのは、エディット・ピアフです。私はピアフの歌を聞いて、美空ひばりがそれほどたいした歌手ではないとわかりました。

Il me dit des mots d'amour,
Des mots de tous les jours,
Et ça me fait quelque chose.

彼が私に愛の言葉を言うと
毎日の言葉だけど
私の心を揺さぶるの

女性にかける言葉に無駄な修飾は不要です。毎日お花に水をあげるように、優しい言葉をかけてあげるようにしましょう。

[2.6.2008更新]

 


 愛の歓び

 
 Plaisir d'amour (愛の歓び)という歌があります。私の好きな曲です。18世紀に作られた曲なのだそうですが、そんな昔の歌だとは思えません。何らかの事情で長く付き合うことができなかった男女は、皆この歌のような思いをするのではないでしょうか。

Plaisir d'amour ne dure qu'un moment,
Chagrin d'amour dure toute la vie.


愛の歓びはわずかの間しか続かないが
愛の苦しみは一生続く

恋愛の苦しさを経験した人は必聴の名曲だと思います。余談ですが、伊勢丹の閉店時間を知らせる音楽に以前使われていたようです。

[12.25.2007更新]

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