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 中学英語再入門


学校英語は役立たない」って決め付ける人がいますが、そんなことはありません。(私、別に学校の先生のまわし者じゃありませんよ(笑))実はすごく大切なことを勉強していたのですが、中学・高校の頃って、授業中眠かったりしてやる気がなかったために、その重要性に気づかなかっただけです。このコーナーでは、中学英語のポイントをとりあげます。昔習った英語の知識をもう一度深く勉強して使える知識に変えましょう!

<目次>
1)言語の本質   2)名詞の情報     3)名詞の基本的な使い方   4)
英文の基本的な作り方 

)「副詞」と「形容詞」の基本     6)「前置詞」の基本  7)現在完了の使い方

 [2.20.2007更新]



1)言語の本質

英語の本質を理解していただくために、しばらく対話形式の読み物T先生 A:生徒を読んでいただきます。ここを理解しないと、先の話がわかりませんので、読み飛ばしたりしないようにお願いします。

T:今日は、いつも英語がわからないと言ってるきみのために、ふだんと違った授業をするよ。

A:え〜?どんな授業ですか?

T:発明の授業。つまり、言葉を新しく作ろうという授業だ。

A:言葉ってそんなに簡単に作れるんですか?

T:ぼくときみの間だけで通じる言語だったら、いくらでもできるさ。ところで、きみの干支はなんだい?

A:イヌです。

T:ぼくはヘビだよ。では、ヘビ=pp  イヌ=qq  殺す=zz  ということにして、「イヌがヘビを殺す」という文を作ってみることにしよう。

A:それなら、qq pp zzでいいんじゃないですか?

T:ずいぶん速いね。でも、「イヌがヘビを殺す」のか、「ヘビがイヌを殺す」のか、それじゃあ、ぼくにはわからないな。

A:でも日本語だと、「ヘビ が イヌ を 殺す」って言いますよね。その通りに並べたんですけど。

T:じゃあ、「イヌ を ヘビが 殺す」はどうかな?これも日本語として通じるだろう。

A:なるほど。文の意味をはっきりさせるには、「〜は」と「〜を」を区別しなければなりませんね。では、「〜は」を表す語にはfを、「〜を」を表す語にはtをつけてみます。

qqf ppt zz   これではっきり意味がわかりますね。

T:そうだね。f tの印をつけたおかげで、語の順番が自由に変えられるようになったよ。例えば、qqf ppt zz  の他に、ppt zz qqfもいいし、qqf zz pptだってOKだ。全部で6通りの順番が可能だね。

A:そうですね。

T:ftの印をつけるのを発見したのはとてもよかったよ。じゃあここで質問だけど、ftの印なしで「〜は」「〜を」をわかってもらうにはどうすればいい?

A:それは、順番を固定するしかないですね。最初に置いた語は「〜は」、次の語を「〜を」というふうにあらかじめ決めておくんです。そうすると、qq pp zzは「イヌがヘビを殺す」という意味になります。

T:確かにそういう意味になるね。「〜は」を最初に、「〜を」を最後に置くように決めてもいいね。そうすると、qq zz ppという文になる。

A:単語を置く順番を決めておけば、fとかtとかの印がいらないので簡単ですね。

T:ここで、言語について一つ大切なことがわかったと思う。「〜は」と「〜を」の区別をつけるのに、2つの方式があるということだ。語に「印」をつける方法と、語を並べる「順序」で決める方法だ。実は、「印」をつける方法の代表がラテン語であり、順番方式を採用しているのが英語やフランス語なんだよ。

Puellae columbas vident.          (少女たちは鳩を見ている)

Puellas columbae vident.            (少女たちを鳩が見ている)

T:上の文は、ラテン語の文だが、単語の語尾が変化していることがわかるだろう。上の例文で言えば、名詞の最後のaeが「主格(〜は、〜が)」を表し、asが「目的格(ラテン語では対格という)(〜を)」を表すんだ。

A:へえ〜、そんな言葉があるんですね。

T:ラテン語は、単語の語尾で、「〜は」「〜を」がわかるので、語順はいろいろ変えてもいいんだ。下のように単語を並べてもいいんだよ。

Puellae vident columbas.  Columbas puellae vident.  
 
Vident columbas puellae.  

A:英語だと順番を変えられませんよね。The girls are looking at pigeons.(少女たちは鳩を見ている)の、the girlspigeonsを入れ替えることはできません。

T:そうだね。英語は、まず「〜は」を置いて、次に、動詞を置き、最後に「〜を」を置くと決まっているからね。

A:ラテン語の語順が自由なのは「〜は」「〜を」などの関係がわかるからなんですね。

T:ラテン語は、こうした語尾変化をかなり大量に覚えなければならない。だから、初心者が学ぶには、ラテン語より英語の方がずっと簡単だね。英語は、多くの語尾変化を失った代わりに、決められた語順をきちんと守らなければならない言語になったんだ。

A:英語で語順が大切な理由がよくわかりました。

英語は決められた語順を守らなければならない言語である




 2)「名詞」の情報

読み物の続きをどうぞ。(読み飛ばし厳禁です。ここは思考が必要な箇所ですから。)

T:さっきの「イヌがヘビを殺す」の文だけど、きみは「イヌ」と「ヘビ」はそれぞれ何匹だと思った?

A:え?考えていませんでしたけど、まあ、どちらも1匹ずつかな。

T:じゃあ、2匹ずつだったら、どうする?

A:うーん、それなら、数字をつけることにしましょう。qq1 zz pp1は「イヌ1匹がヘビ1匹を殺す」ですし、qq2 zz pp2なら、「イヌ2匹がヘビ2匹を殺す」です。

T:数字を使うのはわかりやすくていいね。じゃあ、さらにこの言語を洗練させよう。

A:はい、だんだん面白くなってきました。

T:さっきの「イヌ1匹がヘビ1匹を殺す」だけど、きみは、このイヌやヘビをどこで見たんだい?

A:「見た?」と言われても、この話自体が作り話ですから、でも、それでは話が進みませんから、見たことにします。

T:うん、それでいいよ。ではもう一つ聞くけど、きみはこの話を私にするとき、私がこのイヌやヘビのことをあらかじめ知っていると思った?

A:え〜?そんなこと考えてもみませんでした。先生が知ってるかどうかなんて、先生じゃなければわかりませんよ。

T:それはそうだけど、予想でいいんだよ。つまり、私がこのイヌやヘビのことを知っていると予想するか、それとも知らないと予想するのか?

A:いきなりイヌとかヘビとか言われてもわからないでしょうから、先生は知らないと予想します。

T:妥当な予想だね。今の例のように、聞き手が知らないと思われる情報を「新情報」と呼ぶことにしよう。

A:では、聞き手がすでに知っている情報は「旧情報」ですね。

T:その通り。例えば、私がイヌとヘビを飼っている人間であれば、「たいへんです!犬がヘビを殺しています」と言われたら、自宅のイヌとヘビのことだと思うからね。この場合のイヌとヘビは旧情報だ。

A:イヌが旧情報でヘビが新情報の場合もあるし、イヌが新情報でヘビが旧情報の場合だってありますね。

T:きみの言語では、新情報と旧情報の区別はしないのかな?

A:わかりました。新情報にはN、旧情報にはOをつけて表すことにします。イヌ(1匹)とヘビ(1匹)が両方とも新情報の場合は、Nqq1 zz Npp1、両方とも旧情報の場合は、Oqq1 zz Opp1となります。

   

T:「新情報・旧情報」の区別、それに「数」の情報は、ヨーロッパの言語では本質的に重要なものなんだ。例えば、中学生に「ジムは本を読んだ」を英訳しなさいと言うと、

Jim read book.(×)のような英語を言う人が多いね。この英語のどこが悪いか指摘できるかな?

A:bookは単数形だから、「数」は1冊とわかりますが、bookを見ても「新情報・旧情報」の区別ができません。

T:その通り! 英語では、名詞を使うときに、「新情報・旧情報」の区別、これは長いから、これからは、「新旧」情報と呼ぶことにするよ。もう一度言い直すと、英語では、名詞を使うときに、「新旧」情報と「数」の情報を必ず与えてやらなければならないのだ。だから、新情報の本を読んだのなら、Jim read a book.  旧情報の本なら、Jim read the book.としなければならない。

A:atheって、今までずっと、よくわからないままだったんですが、新情報と旧情報の区別をつけるためのものだったんですね。

T:そうなんだ。ところが、日本語はこうした情報に重点を置かない。そのため、中学1年生の英語で、すでにわからなくなってしまった人が多いんだ。次の事例を見てもらおうか。



事例1:中学生の英語の授業「aについて」

教師:では、Y君。「あれは鳥です」を英語で言ってごらん。

Y君:はい。That is bird.(×)

教師:違うよ。birdの前にaを付けなさい。

Y君:先生、aってどういう意味ですか?

教師:aは「一つの」という意味で、一つのものや人の前に付けるんだ。

Y君:ふ〜〜ん。

教師:さあ、さっきの「あれは鳥です」を言ってごらん。

Y君:That is a bird. 

教師:よくできたね。

<翌日>

教師:昨日の復習だ。(黒板に That is a bridge.と書く)この英文の意味が分かる人は?

W君:「あれは橋です」

教師:うん、その通り。

Y君:先生、ちょっと待ってください。

教師:何だい、Y君。

Y君:「あれは一つの橋です」が答だと思います。W君の答はaを訳していません。

W君:ほんとだ。aは「一つの」という意味だって、昨日習ったんだった。

教師:この場合は、aは訳さなくてよろしい。日本語では「一つの」っていちいち言わないからね。「あれは橋です」でいいんだよ。

Y君&W君:ふ〜ん...(内心で、英語ってわけわかんないなあと思いつつ)

A:これは、ぼくが中1の時の授業にそっくりですよ。ぼくも、ここから英語がわからなくなったような気がします。aをつけろ!と言われたかと思えば、訳さなくていいと言われたり...これでは大人だってわからないですよ。

T:現在でも、この日本のあちこちで、上と同じような説明がなされ、英語嫌いが再生産されているかと思うとゾッとするね。実は上の事例には続きがあるんだ。



事例2:中学生の英語の授業「theについて」

教師:今日はtheという重要な単語を勉強するよ。

(黒板に I bought a book and a pen. I gave the pen to Jim.と書いて)

2番目の文を見てごらん。penの前にaではなくてtheという語がついているね。

これは、前に出た語を指すときに使うんだよ。

Y君:先生、theの意味を教えてください。

教師:日本語で言うと「その」だよ。さっきの英文を訳してごらん。

Y君:「ええっと、私は本とペンを買いました。私はそのペンをジムにあげました」

教師:よくできたね。

<翌日>

教師:みんな、「太陽」や「月」を英語で何というか知ってるかな?

W君:はい!太陽はsunで月はmoonです。

教師:単語テストだったらそれでもいいけど、英語では、the sun, the moonというようにtheを付けなければならない。太陽や月は、世の中に1つしかないだろう。1つしかないものにはtheを付けないといけないんだ。

Y君:先生、それは決まりですか?

教師:そうだ、決まりだ。太陽や月にはtheを付けると覚えたらいいんだ。

<1週間後>

教師:今日は、命令文の勉強をしよう。「窓を開けて」とか「黒板を見て」とか、命令をする文だよ。例えば、Open the window.は「窓を開けて」という意味だ。

W君:先生、「その窓を開けて」じゃないんですか?

教師:日本語では「その」っていちいち言わないから、「窓を開けて」でいいんだよ。

W君:(何か変だなと思いつつ...)わかりました〜。

Y君:先生、先週の説明で、前に出た語にtheを付けると言われましたが、Open the window.は、いきなりtheを付けていいんですか? 

教師:「窓を開けて」と言われたら、誰だってどの窓を開ければいいかわかるだろう。だからtheでいいんだ。

Y君:ふ〜ん...



A:ぼくが中学生のときは、上のように習いました。その場その場で暗記していたように思います。そして、しばらくたつと、きれいに忘れる...(笑)

T:だろうね。英語の名詞を理解するうえで、とにかく大切なのは、次のルールだ。

英語で名詞を使うときには、「新旧」情報、「数」の情報を与えなければならない


T:このルールをうやむやにして
atheを教えようとしても、無理だね。その場しのぎの説明しかできないから、学習者は何が何だかわからなくなる。その結果、生徒はどうなるかと言えば、「atheも先生は訳さなくていいと言った。どうせ訳さないんだから、たいして考える必要もないんだ...」と考えるようになってしまうんだ。

A:「訳さない」ということと、「考える必要がない、重要ではない」というのは、別ですよね。

T:その通り。 atheを「日本語に訳さない」のは、日本語にはそれに該当する語がないからだ。日本語は「新旧」情報、「数」の情報を名詞に付けるという発想がないからね。しかし、英語を使うときには、「新旧」情報、「数」の情報を常に考えなければならない。日本語と英語とでは、ものの捕らえ方が違うのだから、英語を勉強するときには英語の考え方に従わなければならないね。本来は、中1のときに、こうした英語の発想を詳しく教えてもらう必要があるのだけどね。

A:今日の先生のお話を聞くまで、atheについて深く考えたことすらありませんでした。

T:きみはわかったんだからいいじゃないか。では、ちょっと表をみてもらおう。

 dog

the dog

a dog

2以上

the dogs

dogs

T:上の表の意味はわかるね。

A:はい。「新旧」情報、「数」の情報を考えると、「犬」といっても4通りの言い方があるのですね。

T:そうだよ。「私は犬が好きです」を I like dog.(×)と書くのは間違いだ。表のどこにもdogとは書いてないだろう。

A:そうですね。「私は犬が好きです」は、犬が好きであることを相手に教える文ですから、犬は「新」情報ですよね。じゃあ、I like a dog.と I like dogs.のどちらも正解ですか?

T:この場合は、I like a dog.は変だ。正解は、I like dogs.だね。一般的な話をするときには、「新情報+複数」つまり、atheもつかない複数形を使うのが原則なんだ。犬が好きな人は、世の中にいるたくさんの犬のどれもだいたい好きなはずだ。だから複数形がいいんだよ。

A:そうなんですか〜。ぼくは、ずっと I like a dog.でもいいと思ってました。

T:I saw a dog in the garden.(私は庭で犬を見ました)という文なら、a dogでいい。 しかし、「私は犬が好きです」というのは、一般に犬が好き、犬が全般的に好きということだね。それなら、I like dogs.と言わなければならない。

A:「私は犬を見た」というのと「私は犬が好き」というのは、確かにちょっと違いますね。

T:この違いを、後で、「一般論」と「個別論」というテーマでまとめるよ。「犬を見た」は個別論で、「犬が好き」は一般論なんだ。

A:そんな区別、今まで考えたことありませんでした。

T:さっきの話に戻るけど、もし君が I like a dog with a long tail. (長い尻尾の犬が好きだ)というのなら、これは正しい英文だよ。I like a dog. はだめだけど、I like a dog with a long tail.はOKだ。

A:ええ〜?そうなんですか?どうしてですか?

T:これも、後で「全体」と「部分」という話で詳しくやるけど、下の表を見てもらおう。

 左には大きく「犬」と書いてあるね。これが犬全体だ。一方、右側は、いろいろな犬に分類してある。ぼくは犬の品種をよく知らないので、「尻尾の長い犬」とか「毛の長い犬」とか、そういうふうに書いてみたんだが、とにかく、いろいろな種類の犬がいるね。

       

尻尾の長い犬

毛の長い犬

顔の長い犬

手足の短い犬

...その他いろいろ

A:はい、そうですね。

T:それで、「いろいろな種類がある中の一つ」を表す場合に、aが使われるんだよ。I like a dog with a long tail.とは、「犬にはいろいろな種類があるけど、その中で長い尾を持った犬が好き」という意味なんだ。このaは「一匹の」ではなくて「種類の一つ」を表しているんだ。

A:驚きです。aにそんな使い方があるなんて思いもしませんでした。

T:これで、I like a dog.がおかしい理由がわかっただろう。a dogだけでは、どんな種類の犬なのかわからないからね。

A:はい、納得しました。

T:では、この話の最後に「水」について考えよう。水は、一つ、二つと数えられるものではないから、数の区別はない。「旧情報」「新情報」の区別さえつければいいんだよ。

 water

数の情報なし

the water

water

A:こういうのを「数えられない名詞」とか「不加算名詞」というんでしたね。

T:そうだ。表で見る限り、数えられない名詞のほうが使い方が簡単だと言えるね。数を考慮しなくていいのだから。

A:そうですね。

T:「私は水を飲む」の英訳はどうなるかな?

A:I drink water. です。

T:そうだね。I drink a water.(×)は間違いだ。

A:はい、よくわかります。waterは数えられない名詞ですから。

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3)名詞の基本的な使い方

皆さんは中学校1年生で英語の授業を受け始めたとき、名詞をどう習いましたか?おそらく先生が、「本は?」と質問し、生徒が「book」と答える、そんなやり方ではないでしょうか。

 先生:「犬は?」 生徒:「dog」 先生:「水は?」生徒:「water」 

これは、私に言わせれば、これが日本人が英語につまづく第一歩なのですね。私流の教え方はこうです。

「では本について練習しましょう。1冊の本で相手の人がどの本かわかっている本は?」― the book

「1冊の本で相手の人が初めて聞く本は?」― a book

「複数の本で相手の人がどの本かわかっている本は?」― the books

「複数の本で相手の人が初めて聞く本は?」― books


今の話で重要な点が二つありました。一つは単数・複数の区別、もう一つは
atheの区別です。単数・複数の区別は、日本語ではふつうやりませんが、ヨーロッパの言語は全て区別をします。だから、「日本人は単数・複数の区別もしないでよく経済大国になったなあ」と言ったフランス人がいたそうです。(笑)ところで、全ての名詞が複数になるわけではありません。複数形にしない名詞(不加算名詞)もあります。

名詞の分類 ●

1)加算名詞 (辞書ではCと表示):1つ2つと「数」を数えられる名詞

2)不加算名詞(辞書ではUと表示):数えられないので「量」ではかる名詞

(Cとはcountable(数えられる)という語の頭文字Uとはuncountable(数えられない)という語の頭文字です)

クイズでチェックです。

Q 次の名詞を、加算名詞と不可算名詞に分類し、可算名詞にはC、不加算名

詞にはUの記号を書きなさい。

1) desk  2) day  3) milk  4) bread  5) apple  6) sugar 7) furniture

8) language  

では、解説です。1) desk は1つ2つと数えられますし、2) day も1日、2日と数えられますから、いずれもCですね。では、3) milk はどうでしょう?「1ミルク、2ミルク」と数えられますか?「だって、牛乳1パックとか、牛乳1びんとか言うじゃないですか?」という声が聞こえてきそうですが、それはパックやびんを数えているのであって、牛乳そのものを数えているわけではありません。このように、そのものにはっきりした形を持たないものは、数えることができません。4) bread もそうです。ここに大きなパンがあったとして、これを半分に切ってもパンですし、細かくちぎってもパンです。つまりパンには決まった形がないのです。

5) appleは、店で売っているまるごと1個のりんごは当然Cですが、すりおろしたりんごやりんご果汁、スライスしてサラダに入れたようなりんごは、形がありませんのでUになります。

 an apple :appleはC。りんごまるごと1個を表す
 apple    appleはU。はっきりした形を持たないりんご

6) sugar はUです。砂糖の塊をどれだけくだいても砂糖に変わりありませんし、それに、1粒1粒の砂糖をいちいち数える人なんかいませんね。7) furniture(家具)は、Cと考える人が多いのですが、実はUなのです。日本人にとって「家具」とは、机やベッドなどの1つ1つのものを指しますので数えられると考えがちですが、英語のfurnitureは、机やベッド、本棚などの集合体を指すことばなのです。ですから、Aさんの部屋のfurnitureと、Bさんの部屋のfurnitureは、違っていて当然です。例えば、

 Aさんの部屋のfurniture :ベッド、机、本棚、ドレッサー...

 Bさんの部屋のfurniture :机、たんす、鏡、ソファー...

こう考えると、furnitureには決まった形がないことがわかります。人それぞれ違うのですから。机、ベッドなど個々のものはCですが、それらの集合体としてのfurnitureはUなのです。

8) languageについては、例文を見てもらいましょう。

例文A: Language is not something that is inherited; it is an art that can be passed on from one generation to the next only by intensive education. 

例文B: Bob speaks five languages.

Aは、「言語は遺伝的に受け継がれるものではなく、集中的な教育によってのみ、世代から世代へと受け継がれる技術なのだ」という意味ですが、languageとして使われています。一方、では複数形になっていることからも明らかなようにCとして使ってあります。

言語にはたくさんの種類があります。日本語、ドイツ語、フランス語、イタリア語...こう考えると言語はCです。一方これらの各言語の集合体としての「言語」、もっとわかりやすく言えば、各言語に共通する働き、機能というものを考えれば、Uになります。先ほどの例でいえば、ベッドや机にあたるのが、各国の言語で、furnitureにあたるのが、集合体としての言語です。

furnitureやlanguageについて、おもしろいなと感じた方は、本サイトの 冠詞ノート をご覧ください。


クイズの解答:1) C  2) C  3) U  4) U  5) C, U  6) U  7) U  8) U,C


英語を使う時は、名詞の加算・不加算に気をつけるようにしましょう。そうでないと、不加算名詞を複数形にしたり、加算名詞の単数形なのに前に何もつけないで使ってしまったりします。(例.中1のとき、This is book.(×)と書いた人は多いはずです)よくわからないときは辞書を調べることが大切です。

「加算名詞」と「不加算名詞」の区別について勉強しましたので、次に「冠詞」の話をしましょう。「冠詞」とは、a, an, theのことで、形容詞の一種ですが、英語を理解するうえで極めて重要なものです。日本語には冠詞に相当する語がないので、日本人が冠詞を自然に使えるようにはかなりの年数を必要とします。冠詞の使い方に習熟するには、日頃からやさしめの英文をたくさん読んで、そこで使われている冠詞の用法をよく考えることが大切です。

ここで「冠詞」の根本原理を学びましょう。例えば、あなたが誰かと話をしているときに、人でもモノでもいいですが、ある名詞について話をしたいとします。その時、相手がその名詞について「ああ、あれだな!」とピーンとくるかどうかを予想します。ピーンと来ると予想する場合は、theをつけ、相手が初耳だろうなと思う場合はa(複数のときは何もつけない)をつけるのです。いくつか例をあげましょう。

@ I want to visit a museum. (私は博物館を訪れたい。)

A George has a son and two daughters.  The son is a college student.
(ジョージには息子が1人と娘が2人いる。息子は大学生だ。)

B Could you pass me the salt? (塩を取っていただけますか)

@の文を聞く人は、「私がどこを訪れたいか」を知らないと思われますので、a museum です。これをthe museumと言うと、聞き手も「ああ、あれだな!」とピーンとくるmuseumということになります。次にAですが、後の文でson息子)にtheがついているのは、前の文で出てきた息子のことだとわかるためです。では、Bでtheが付いている理由はわかりますか? これは皆で食事をしていて、テーブル上の塩を取って欲しいときに言う台詞ですね。言われた人も、どの塩を取ればいいか、すぐにピーンとわかるでしょう。だからtheです。

aについては、もう一つ大事な考え方があります。それは「複数の中の1つ」という考え方です。次の例を見てください。

C Mr. Yamada is a math teacher at XYZ High.    (山田さんはXYZ高校の数学教師です)

D Mr. Tanaka is the principal of XYZ High.      (田中さんはXYZ高校の校長です)

teacherにはaが付き、principalにはtheが付いています。「山田さんは、XYZ高校に複数いる数学の先生たちの中の一人です」であり、「田中さんは、XYZ高校に一人しかいない校長先生のまさにその一人です」だからです。このように「複数ある中の1つ」を言う場合にはaを、最初から1つしか考えられないものにはtheを付けるのです。

E Sapporo is a large city. (札幌は大都市です) 

F Tokyo is the capital of Japan. (東京は日本の首都です)

大都市はたくさんありますが、日本の首都は1つしかありませんね。その違いが冠詞の違いとなって表れています。おもしろいですね。

最後に、aanの区別をしておきましょう。発音してみて母音で始まる名詞にan、子音で始まる名詞にはaをつけます。以前、「an hour(1時間)は、hなのにどうしてanなのですか?」という質問を受けたことがあります。hour文字で見ればhで始まっていますが、このh